みなさんこんにちは!
インターンの佐藤です^ ^
私の通う学校では2学期が終わり、ドキドキハラハラ、テストの結果を待っているところです!
私の学校 HAS Hogeschool の今学期のテーマは 畜産 でした。
(学校については前回記事で少しお話したのでご興味ある方はご覧ください^ ^)
そのなかで、乳牛、ヤギ(オランダではヤギのチーズが頻繁に食されています)、養豚、養鶏、サステイナブル家畜生産の5本立てで、勉強や農場視察を行いました。
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もともと食料問題にとても興味があってオランダに来た私ですが、考えてみると家畜については盲点だったので、沢山の学びがありました!
今ではオランダの乳牛・ヤギ・豚・鶏の、生育段階別エサ、施設、生育・生産のサイクル、問題点などなど、説明できる程です。笑
家畜生産は、アウトプット(肉やミルク)に対してインプット(エサや水)、またCO2の排出が大きいこともあり、より効率的でサスティナブルな生産が求められている分野でもあります。
(Wiredによる「肉食は自動車よりも二酸化炭素を排出する」といった記事もあります。)
ということで、オランダのサステイナブル / スマート家畜ビジネスをいくつか回を分けてご紹介したいと思います!
さくっと概要を知りたい方はこちらへ
オランダのサスティナブル(持続可能)な養鶏ビジネス、キップスター(KIPSTER)
最初はサステイナブル養鶏ビジネスを行う、その名も「キップスター」社のご紹介!
オランダ語でKipとは鶏のこと。
そして、日本でも数年前になの知れるようになった「ヒップスター」にかけて「キップスター」という名前をしています。ユーモアがあって素敵ですね^ ^
キップスターの特にユニークなところは2つ、食料廃棄を元にしたエサの活用と雄鶏の活用です。
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①97%食料廃棄物を利用したエサ
キップスターの鶏のエサは、97%が食料廃棄物を活用して特別に作ったエサで、残り3%はビタミンミネラルなどの栄養で構成されています。
大きなパン屋などからエサの原料となる食料廃棄を得ているため、オーガニックなどではないですが、なんと、通常の養鶏と比べCO2フットプリントが1キロのエサにつき50%も削減することが出来ているそう!
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②普通は殺される雄鶏の活用やサスティナブルな卵パック
他の家畜と同様に、交尾後の雄鶏や雄のひなは食べられずに殺されてしまうケースが多い中(オランダでも毎年4000万もの雄のひながガス殺されている)、キップスターでは、雌鶏と同じ数生まれる雄鶏のひなを育て、鶏肉として特定のスーパーマーケット(Lidl)に販売しています。
他にも、アニマル・フレンドリーな環境作りや、ポテトスターチ(片栗粉)とセルロースファイバーと水を用いて作られた、90%もCO2フットプリント削減できるの卵パック。
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また、養鶏舎に設置されたソーラーパネルによって化石燃料を使用する必要がないなど、様々なサスティナブルな取り組みが行われています。
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キップスターの養鶏の様子はこちらページからご覧頂けます。
アニマルウェルフェア(動物福祉)のための認証Beter Levenとは?
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また、オランダには動物福祉の観点で用いられている認証制度に「Beter Leven」というものがあります。
上記写真の右上にあるような星★マークがオランダのスーパーで販売されているお肉にはついています。
Beter Levenとはbetter life(よりよい生命)の意味。下図のように星無し〜星3つの4段階によって、そのお肉がどのくらい動物福祉の観点に沿ってつくられたが、消費者にひと目で分かる仕組みになっています。
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図で分かるように、鶏が外に出る事ができるか、1㎡ごとの鶏の数、くちばしのカットをするか、日光を取り入れる事ができるかなどによって段階が分かれており、いかに自然に近い形で飼育されているかが、消費者に可視化される仕組み。
そして、キップスターの鶏はこの最高基準の3つ星の環境で飼育されているということです。
日本の養鶏のアニマルウェルフェアの現状とヨーロッパの動向
日本はかなり卵の消費量の多い国。
WorldAtras によると、日本が最も卵の消費量が多く、毎年一人当たり320個もの卵を消費しているそうです。
そして日本では人口と同程度の鶏が育てられており、その生産状況の内訳は下図の様になっています。
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円の大きさが生産量、そして赤色がゲージ、黄色が家畜小屋(ゲージより動き回れる環境)、緑色がフリーレンジ(放し飼い)を表しています。
日本を含め、明らかに世界ではまだまだケージを用いた養鶏が多いことが分かります。
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そしてこの図はヨーロッパ部分を拡大したものです。
ヨーロッパではアニマルウェルフェアの観点から、鶏当たり面積の小さいケージが禁止されているそうで、より動き回れるケージ、また、フリーレンジ(オランダではFreilandとドイツ語の名前で呼ばれ、ドイツに輸出することが多いためだそう)やバーンに移り変わりました。
このように、オーガニックやサスティナブルなオルタナティブ家畜生産はどの家畜を見ても一般的にヨーロッパで盛んであり、日本も消費量の多い国として、今後より効率的またサステイナブルな生産が求められていくと思います!
次回は、オランダ のサステイナブルな精密畜産農業(スマート酪農)の現場をお伝えします!
ご覧頂きありがとうございました。