オランダ最大!施設園芸の展示会を視察してみた【HortiContact 2017(ホルティコンタクト)参加レポート】

オランダといえばトマトやパプリカなどの施設園芸(ガラスハウス栽培)!

そんなオランダで「最大」規模の施設園芸の展示会を視察してきましたのでレポートします。

施設園芸に関する様々な製品やサービスを提供する企業が出展していました。

最新の技術やイノベーションも伺え、とても勢いのある展示会でした。

オランダ国外からも出展している企業もあったり、海外からの来場者も沢山いましたよ。

機会があればぜひ日本からもご参加ください!

それではレポートです♪

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さくっと概要を知りたい方はこちらへ

HortiContact(ホルティコンタクト)とは?

今回ぼくが視察した展示会はHortiContact(ホルティコンタクト)といいます。

Horticulture(施設園芸)とContact(交流)をかけていると思います。

以前はHorticulture Business Days Gorinchemと呼ばれていたそう。

2017年で14回目の展示会で、オランダで最大の施設園芸の展示会だそうです!

今年は2月の14~16日(火~木)の3日間で開催されました。


※会場外観。とても大きい会場でした

なんと出展企業は500社以上!

公式HPによれば今回の展示会の出展企業は500社以上になるそうです!

なので、会場も巨大でした。

※会場を上から見た様子

ぼくは時間の都合で約2時間しか滞在できず、残念ながら全てのブースは見きれませんでした(汗)。そのくらい大きかったです。


※フロアマップ。いかに出展企業が多いかがわかると思います。

以下は公式HPからの出展企業の業種(プロフィール)です。

施設園芸に関わる様々な業種が参加していることがわかるかと思います。

例えば、このようにマッサージ会社までいましたよ笑。労働とはセットなんですねー。

3日間で17,000人以上の来場者!

そして公式HPによれば来場者数は17,000人もいるとのこと(恐らく過去実績からの推定)。

ぼくは開場して直ぐに入ったのですが、すでに多くの人が訪れていましたし、帰り際も続々と人が訪れていました。

これは公式HPによる来場者の属性です。

一番多いのが「花き栽培業者(Ornamental plant cultivation)」で、「野菜栽培業者(Vegetable cultivation)」と「各メーカー(Technology suppliers)からの来場者が続いています。

日本の展示会との比較(GPEC:ジーペック)

ちなみに調べたところ日本でも、施設園芸・植物工場展 (GPEC:ジーペック)という展示会が行われているみたいです。


※GPECの様子。スゴイ人!【www.gpec.jpより】

2016年(7月末)に第4回目が開催された、日本唯一の「施設園芸」と「植物工場」に特化した展示会

2016年には215社・団体の出展があり、3日間で約4万人の来場者数があったそうです。

HortiContactと比較すると、出展企業数は半分以下ですが、来場者数は2倍以上います。

日本での施設園芸や植物工場への注目度合いがわかります!

これ、ぼくも行ってみたい!

そして同展示の協賛にはオランダ大使館もいました。

(参考:www.gpec.jpより)

出展企業&来場者のメリット

話をHortiContactに戻します。

公式HPによれば本展示会への参加には主に3つのメリットがあるとのこと。

①:コネクション作り&強化

1つ目は、出展企業とのビジネス上の繋がりをより強固にしたり、新しいコネクションをつくること。

500社以上の出展企業と繋がれる機会ですし、各メーカーや商社、ブローカーと様々な業種が一度に集う機会はなかなかありません。

②:オランダの最新技術を知れる

オランダは施設園芸の技術で世界的に有名ですし、その技術やイノベーションは常に進化しています。

同展示は、そういった最新の製品やシステムなどを一度にみれる機会なんです。

気になった業者とは詳しく話し、さらに知識や気づきを得ることができます。

この点は日本から生産者や農業関連企業の方が訪れる大きな理由になるかと思います!

一度に500社以上の最新の製品や技術が見れる機会はめったにありません。

このようにVR(バーチャルリアリティ)を使って最新設備を体験できるブースもありました。

後で詳しく紹介しますが、世界的に有名な農業研究期間であるワーヘニンゲン大学の講義なども聞けましたよ。

③:海外へのアピールに

オランダ国内だけでなく、ヨーロッパ各国を中心とした海外からの出展企業や訪問者も年々増加しているそう。

そんな中で、オランダ企業からすれば海外へのアピールに、海外企業からすればオランダの施設園芸界へのアピールになります!

これは中国から出展している施設園芸企業のブース。

公式HPの紹介ビデオ

以下は公式HPの同展示会の紹介ビデオです。

What makes HortiContact worth your while!

字幕は英語ですが、開場の様子などが伺えますよ!

写真で紹介!HortiContact

次に、会場の様子やブースの様子などを写真でご紹介します。

同展示会の様子が少しでも伝われば幸いです。

 
植物ポットを移動させるロボット。ここではスイッチを押すとノベルティのペンをくれるデモンストレーションをやっていました。

施設園芸コンサルタント大手のDelphy社のブース。

無人販売所用の自販機。温度も調整され、カードでも支払えるそう。

農機具ブース。

そのまま植えれる育苗ポット。

ガラスハウス建設会社

スナック野菜(スナックトマトやスナックきゅうり)専用の容器会社。スナック野菜市場はここ5年で急成長しているそうで、注文が激増しているそう。

水やりや農薬散布をする機械でしょうか。先端のセンサーが気になります。

育苗会社ですかね。

去年モンサントの買収で一大ニュースになった独バイエルのブース。景気がいいのか(ドイツ特有なのか)、ビールを飲みながら商談をしていましたよ。

植物工場の設備ブース。

グリーンハウス内の昇降機など。最新のものは各レーン間も自動で移動できるみたいでした。

選別場(レーン)でカメラや各センサーが自動で選別をしてくれる機械。ミニモデルが動いていて、分かりやすかったです。

ガラスハウスの新しい素材でしょうか。耐久性アピールしていますね。

ハウスの水の循環や浄化システム。

生産者組合でしょうか。作物の試食などでアピールしていました。

誘引用の資材ブース。

選別もしくはパッキングのレーン。

LEDなどの照明を展示しています。

ハウスの屋根素材を販売している会社のようで、恐らくボクサーを使って強度アピールをしていたみたいです。面白いですね!

害虫の防除装置。

土を扱う会社。

様々な資材を販売しています。

農機具の会社。

以上、会場の様子の紹介でした!

オランダ最大の施設園芸展示会はここがスゴイ!

次にぼくが感じた同展示会のスゴさを3点あげてみます。

①:とにかくオランダ施設園芸業界の勢いを感じる!

まず、大きく感じたのがオランダの施設園芸業界の「勢い」でした。

その出展企業数や参加を数からも伺えますが、施設園芸市場の大きさと業界内で競争の激しさ(いい意味で!)が伝わりました。

例えば水の浄化装置にしても沢山の企業が出展しており、それぞれに技術や仕組みを工夫していました。

業界内が「切磋琢磨」していることが伝わり、オランダの施設園芸の強さと競争力の根源を垣間見た気がしました!

また、ぼくは農業経験者でもなく実際の実務での詳しいことはわからないのですが、一緒に視察した日本からの農業研修生は現場目線で様々な学びや気付きを得ているようでした。

「これは日本で取り入れたいなー」

「このシステムはすごい!」

「これがあるとスピードも上がるし、作業も楽だな!」

など連発していましたよ!

②:ワーヘニンゲン大学の講義が無料で聞ける

これは毎年恒例なのかは分かりませんが、今年はワーヘニンゲン大学の講義を聞くことができました。

ワーヘニンゲン大学といえば、オランダ農業を研究分野で引っ張っている世界的に有名な農業の大学です。

そんなワーヘニンゲン大学の講義を「無料!」で聞くことができるんです。

本展示会は午後からの開催だったのですが、この講義は午前中に行われていました。

オランダ語と英語の講義があるらしく、ぼくは英語の講義を3つ聞くことができました(約1時半)。

その内容は①「冬の間にも自然光をより効率よく取り入れるには?」、②「トマトの次の高付加価値商品開発について」、③「植物工場でのレタス栽培について」でした。

特に、①「冬の間の自然光をより効率よく取り入れるには?」は、科学的にハウス内の光のとり方と最大化を研究している点がとても面白かったです。

光を拡散(Diffuse)させたり、ガラスハウスの設計(屋根の角度など)や素材の見直しによって、同研究では冬の間のハウス内の光を12%も上げることができたそうです!

「光が1%増えれば、収量が1%増える」とオランダではよく聞きます。それだけ光は大事なんですね。

科学的な視点がとても面白く、とても勉強になりました。

また、②「トマトの次の高付加価値商品開発」も面白かったです。

オランダはトマトやパプリカという高付加価値の商品に、国全体で注力することで施設園芸業界での今の地位を築きました。

ただ、生産性の増加やスペインやポーランドなど海外との競争のなかでその価値もどんどん落ちてきているそう。

そんな中、「トマトの次」になる高付加価値の作物を研究しているとのこと。

例としては、インディゴ(高級ジーンズの染料)、医療用の大麻、ワサビなどが上がっていました。

そして、今一番注目して試験的な取り組みが始まっているのが「バニラ」だそう。あのアイスなどの香料に使われるバニラです。

このバニラ、本物はなかなか市場に出回っておらず(化学的に造られた香料が主流)、本物はかなり高値で取引されるとのこと。

その代わり栽培が難しいらしいのですが、そこを研究によって実現可能な作物にしていくらしいです。

オランダ農業への将来への投資や研究も盛んに行われていることを知り、オランダ農業の将来性を増々感じることができました。

③:スポンサーの多さと開場設備の充実度

これはオマケ的な情報ですが、会場内にはフリードリンクサービスや、クッキーを配っているウエイターが沢山いました。


おしゃれなカウンターでドリンクサービス。

さらには、無料のスムージーまでサービスしていました。

ぼくはオランダで、本展示会の他にも花の展示会やオーガニック展示会にも参加しましたが、ここまで参加者にサービスがある展示会はありませんでした。

なにが言いたいかというと、こういうところからも「業界の勢い」を感じたということです!笑

参加方法は?

最後に来場者としての参加方法を簡単にご紹介します(※2017年度の場合)。

公式HP内に「Order Tickets」というアイコンがあるので、クリックします。

そして所属企業や住所や連絡先などを入力すれば登録完了です!

オランダ語ではなく英語で登録できるのでハードルは高くないですよ。

そして登録したメールアドレスにチケットが送付されます。

なんと参加は「無料」です!嬉しいですね。

1点注意ですが、本展示会には基本的に農業関連企業や生産者のみしか登録できません。

(公式HPには入り口での会社確認などあると記載がありましたが、実際にはチケットをスキャンするだけでした)

まとめ

以上、オランダ最大の施設園芸展示会HortiContactの視察レポートでした。

いかがでしたでしょうか。

何度もいいますが、一度に施設園芸業界500社以上の最新の製品がみれる展示会はそうはないかと思います。

しかも施設園芸最先端のオランダです。

ぜひ機会があれば訪れてみてください。おそらく毎年2月頃に行われていると思います。

なお、来年2018年は2月20-22日の開催のようです!

それでは、ご覧頂きありがとうございました。

オランダよりミズキ(@yMIZUKI8)でした^^

オランダ最大の「花」の展示会レポートもよろしければどうぞ。

世界最大級の「花」の展示会にオランダで参加しました!【IFTF 2016】

会場情報詳細(2017年度)

HortiContact
会場:Evenementenhal Gorinchem, Franklinweg 2, 4207 HZ, Corinchem
開催日時:2017年2月14日13-21時、15日13-21時、16日13-21時
Tel:+31523289898
HP:http://booking.evenementenhal.nl/en/horticontact/gorinchem

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コメント

  1. sasaki kaoru より:

    とっても、わかりやすく、参考になります。
    アップありがとうございます!!