こんにちは、オランダよりミズキです。
オランダは先週まで寒く、上着が必須だったのですが、今週は連日暑い日が続いています~(日本の夏ほどでは無いですよ!)。基本的には寒い国なので、バスの中は空調もなく、窓もない。。熱いし、汗くさいし、あまりいいものではないですww
さて、今回は前回記事に引き続き、数字でみるオランダ、マクロ経済編のパート2です!
パート1ではオランダの人口統計やGDPをまとめています。
今回はオランダの貿易についてをリサーチしました。
オランダの貿易に農業は大きく貢献しておりますし、要チェックポイントですね!
では、いってみましょ~♪
さくっと概要を知りたい方はこちらへ
オランダの「輸出」について
ここではオランダの「輸出」に注目して各指標を調べていきます。
オランダの輸出額:約5,680億USドル(2015年)
【出典:hollandtradeandinvest.com】
オランダはなんと輸出額で世界5位の規模を誇り、約5,680億USドル(2015年)の輸出額です!世界全体の輸出額の3.5%をしめております!!
1位は中国、2位はアメリカ、3位はドイツ、4位は日本で約6,250億USドル(2015年)でした。
オランダが輸出額世界5位とは、正直おどろきでした!
オランダの国土や人口規模を考えると、世界5位はとてもすごいことだと思います!!
オランダはその立地の優位性(ヨーロッパ主要国へ陸続き)と、港(ヨーロッパで一番物流数が多いロッテルダム港)や空港(スキポール空港)などの貿易インフラが整っている点も、輸出が強い要因のようです。
オランダのGDPにおける輸出額の割合の推移
【出典:hollandtradeandinvest.com】
こちらのグラフは、オランダのGDP(国内総生産)における輸出額の割合を1970年からの5年毎の推移にて示しています。
1970年代にはGDPの約5割だった輸出額が、年々その割合を増やしており、2015年には約8割にもなっています!
オランダは古くは東インド会社(世界で初めての株式会社)から世界中と貿易をした歴史もありますが、現在のGDPあたりの輸出額はすごい割合ですね。それだけ国をあげて輸出産業に注力しているのでしょうね!
ちなみに、日本のGDPにおける輸出額割合は約15%でした!(2014年)【出典:ジェトロ ※サイト情報より計算】
では、オランダは具体的にどういった製品を輸出しているのでしょうか?
オランダの輸出項目とその割合(2014年)
【出典:OEC】
これは2014年のオランダ輸出品の内訳と割合を示したグラフです(総額5,250億USドル)。
最も多いものが「鉱物製品」で22%でした。内訳をサイト内でみると「精製石油」が11%、「原油」が5.2%、「天然ガス」が4.1%の順で多かったです。石油が多いですね!
また、勉強不足でしたが、オランダはヨーロッパで2位、世界でも9位の天然ガス産出国なのですね!【出典:Wikipedia】
次に「機械」の19%と「化学製品」の15%が続いています。
「機械」の内訳を見てみると「コンピューター」が1番多く3.3%、その次が「電話」で1.6%でした。オランダはドイツなどと比べて機械のイメージは少ないですが、ヨーロッパではそこそこ有名なのかもしれません。(ぼくが現地で調達したマウスはオランダメーカーですが、意外に使い勝手がいいですw)
「化学製品」の内訳で見ると「薬剤」が2.7%、「人または動物の血液」が2.2%でトップ2でした。血液の輸出などもあるのですね!!いやいや、ビックリでしたw
その次に多いのが「食料品(加工品)」です。内訳で多かったのが、「家畜用飼料」(0.62%)や、「タバコ」(0.4%)や「ビール」(0.39%)などでした。
そして気になる農畜産物を見てみると、「動物製品」の4.9%と「野菜製品」の4.6%を合わせて輸出品全体の約1割を占めていることが分かります。
「動物製品」の内訳上位をみてみると、「チーズ」が0.8%、「濃縮乳(牛乳を濃縮したもの)」が0.53%でした。さすがオランダ!といった内容ですね!w
「野菜製品」では、上位は「切花」の0.77%、「その他植物」の0.66%、「トマト」の0.36%、「その他野菜」の0.35%、「球根」の0.27%でした。
「切花」はすごいですね!先日世界最大のアールスメール花市場にも行ってきたので、別途報告したいと思います!
そして、「トマト」が3位もさすがですね!「その他野菜」と別のカテゴリーになるほど輸出量が多いってことですよねw。トマト農家の現場視察は必ず行きたいと思います!
「球根」も多いですね。アムステルダムには球根をメインで売っているお店が集まった通りもありますし、空港でもお土産として沢山売っておりますよ~。
また、「楽器」が4.6%と「野菜製品」と同量なのがちょっと興味をそそられましたw
が、内訳みると、音楽に使う楽器は1%で他は「撮影機材」や「医療・実験器具」などでした。。(サイトの日本語訳がやや違ってますねw。失礼しました!)
次は、「では、どういった国に輸出してるの~?」に答えます。
オランダの主要輸出国(2014年)
【出典:OEC】
これは2014年のオランダ輸出額における輸出先国ごとの割合です。
オランダがどこの国に主に輸出しているかが分かります。
※紫色がヨーロッパ、赤色がアジア、黄色がアフリカ、青が北米の地域となってます。
見るとオランダは輸出総額のうち、約8割がヨーロッパ内の輸出だということが分かります。
特に東ヨーロッパ(ドイツ、ベルギー・ルクセンブルク、イギリス、フランスの順で多い)がメインの輸出先のようです。ドイツは22%とダントツで多いですね!地理的にもお隣なので運送の優位性も高いのでしょう。
また、アジアでは、中国(1.9%)と韓国(0.91%)がトップ2でした。日本への輸出は0.67%とアジアでも比較的少ないようです。
あとは、アメリカへの輸出も3.8%はありますね。
次はとっても気になる!そして、よく話題にもなっている!農畜産物輸出額の世界ランキングです!(オランダの農業を語る上では外せませんw)
オランダの農畜産物輸出額:約1,120億USドル(2014年)
【出典:hollandtradeandinvest.com】
これは、2014年農畜産物の輸出額の世界トップ5のランキングです。
(上のバーが輸出額、下のバーが世界シェアを示しております)
ご存知の方も多いかと思いますが、オランダは世界2位の農畜産物輸出額がを誇ります!!
そしてこれは、世界全体の農畜産物輸出額シェアの6.3%を占めております。
ここはぼくにとっても非常に大きなポイントでして、
ぼくが「オランダで農業を学びたい!」、「オランダと日本を結ぶビジネスの需要はきっとある!」と思っているもっとも大きな理由です。
なぜ?、どうやって?、オランダがこの地位まで上りつめたかを現地にて確かめたいと思っています!
そして堂々の1位は大国アメリカで約1820億USドルです。そしてこれは世界全体の10.3%を誇っています。3位以降はドイツ、ブラジル、フランスと続きます。
ちなみに日本はすこし古い2011年のデータでは世界57位で32.7億USドルでした。。【出典:フィデア総合研究所】
同2011年のオランダは893.3億USドルでやはり2位。日本の約27倍の輸出規模です!
TPPも始まりますし(アメリカが反対の流れになっていますが・・)、日本政府も力を入れているようなので、国民が減少している日本は、これから輸出でも頑張らないといけないですね!
オランダの「輸入」について
次は、「輸出」とは反対に「輸入」についても調べてみました!
オランダの輸入額:約5,070億USドル(2015)
【出典:hollandtradeandinvest.com】
こちらのグラフは2015年の世界各国の輸入額の上位トップ10のランキングです。
オランダは世界8位で輸入額は約5,070億USドルとなっています。これは世界シェアの3.1%を占めています。
オランダは輸出額でもトップ10に入っていますし、国の規模からしても、これまた意外でした!
またオランダの輸出額は上記のとおり、5,680億USドルなので、2015年は貿易黒字ですね。
ちなみに、日本は世界5位で約6,260億USドルでした。
では、オランダはどういった品目を主に輸入しているのでしょうか?
オランダの輸入品項目とその割合(2014年)
【出典:OEC】
これは2014年のオランダの輸入品の内訳と割合を示したグラフです(総額5,530億USドル)
1番多いのは「鉱物製品」で25%で、サイト内で内訳を見ると「原油」が12%でトップでした。上の輸出では「精製石油」がトップだったので、オランダは原油を輸入して、国内で精製して輸出していることが想像できます。
実は、ぼくはあの有名なshellという石油会社は、アメリカの会社かと誤解していたのですが、実はオランダの会社のようで、本社はぼくが住んでいるハーグという都市とイギリスにあるようでした!!
そして正式名称は「ロイヤル・ダッチ・シェル」というとてもカッコいい会社名でしたw!
(2005年にオランダのロイヤル・ダッチとイギリスのシェルが合併したようです【出典:Wikipedia】)
こういった大企業が在籍しているので、石油の精製も盛んで、国の主要産業になっているのでしょうね。
また、2位は「機械」で、内訳はコンピューターが4.7%で1番多かったです。
そして、「化学製品」「金属」「交通(車など)」「食料品(加工品)」と続いています。
「輸出」と「輸入」を比べてみてみると、オランダは原油・金属・生地などの原料を輸入して、国内で加工や精製をして、輸出している傾向があると思いました。輸出で食料品(加工品)の割合が多いのも同様の傾向かと思います。
つまり、オランダは加工や精製などの製造業や、その製品のマーケティング・貿易にも強みがありそうです!
最後に、オランダの主要輸入国についてです。
オランダの主要輸入国(2014年)
【出典:OEC】
これは2014年のオランダ輸入額における国ごとの割合です。
オランダがどこの国から主に輸入しているかが分かります。
※輸出同様、紫色がヨーロッパ、赤色がアジア、青が北米、黄色がアフリカの地域となってます。
見てみるとオランダ輸入額の約6割がヨーロッパ内からの輸入となっており、
上記の輸出額の8割と比べてヨーロッパへの貿易割合が減少しているのが分かります。
ヨーロッパの中ではドイツやロシアが多いですね。ドイツからは車関係、ロシアからは原油などが主でしょうか。
また、輸入ではアジアからも全体の約2割輸入しています!特に中国からは9.3%と多くを輸入しているのが見えます。これは鉱物や、加工食品をつくる原料の野菜など、加工業のための原料を安く輸入しているかなと思いました。
日本からも2%輸入していました!ぱっと思いつくのは電化製品などでしょうか。
以上、数字で見えてくるオランダ経済!のパート2でした。
いかがでしたでしょうか。
個人的に印象に残ったのは、オランダが輸出額で世界第5位(2015年)と、輸入額でも世界8位(2015年)と、国の規模の割には、多額の貿易をしている点でした。貿易が盛んで貿易に強いオランダの特徴が見えました。
もちろん皆さんもご存知であろう、農業についても同様ですね!競争力すごいです!!
また、輸出品と輸入品の内訳や割合などから、原料を輸入して、製品に加工し輸出している特徴も見えて面白かったです!この点も今後より詳しく調べて行きたいと思います。
結局、調べれば調べるほど、あれもこれもに気になってしまい、パート2で、貿易と労働事情まで書くつもりが、貿易だけで大量の情報になってしまったので、労働事情はパート3にしますw
それでは、長文にお付き合い頂きありがとうございました^^
コメント
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