輸入農作物から見えてくる!?オランダ貿易3つの特徴

前回の記事でオランダの農畜産物の「輸出」についてまとめましたが、
今回は反対に「輸入」について調べてまとめました!

オランダが輸入している農作物から、オランダ農業の特徴をみてみましょう。

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オランダが輸入している農作物(2014)

まずはオランダが輸入している農作物の全体像をみてみます。

【出典:OEC】

これは2014年にオランダが輸入した農作物の割合(金額ベース)を示した表です。
輸入総額は210億USドルです。
※畜産物を含みません。

みてみると、オランダが最も多く輸入しているのが「大豆」で、全体の10%です。
そして「コーヒー」が5.9%、「トウモロコシ」が5.7%、「小麦」が5.3%と続いています。

上位4つが、どちらかというと加工前の「原料」に近い特徴がありますね!

①オランダの加工貿易

ここで、上記に関連した面白い資料を見つけたので共有します!


【出典:農林中金総合研究所】

すこし古いデータですが、これは2009年におけるオランダの農畜産物・食品の輸出入額の上位20品目の表です。左が輸入品目、右が輸出品目を表しています。
※畜産物や加工食品を含みます。

注目して頂きたいのは、表の間にある矢印(→)と緑色の線です!!
矢印(→)は「原料と加工品の関係」で、緑色の線は「同じ品目」を表しています。

まず、矢印(→)をみてみると、「カカオ豆」という原料を輸入して、「チョコレート」や「ココアバター」に加工をして輸出しているのが分かります。

他には「大豆」を輸入して「大豆粕(かす)」に加工したり、「タバコの葉」を輸入して「タバコ」に加工をして輸出しています!

このように、原料を輸入して加工後に、付加価値を付けて輸出することを「加工貿易といいます!!オランダ貿易の特徴の一つがこの加工貿易です!!!

前のブログで、オランダは「原油」輸入して精製後に、「精製石油」にして輸出している特徴がみれましたが、農畜産物でも同様の特徴があります。
(ちなみに、オランダはあの大手石油会社「Shell」の本社があります!)

また、オランダには上記の「カカオ豆」を「チョコレート」や「ココアバター」に加工するのが得意な、世界的に有名な大企業の本社があります!

そうです、あのユニリーバです!!
(正確にはオランダの会社とイギリスの会社が合併してできた会社なので、本社はオランダとイギリスの両方にあります)。

こうして、大企業との関連性を考えると、オランダの貿易の特徴がよく理解できますね^^

また、「大豆粕(かす)」は、飼料や醤油の原料に使われるそうです。
そして実は、あのしょうゆのキッコーマンの初のヨーロッパ工場もオランダにあるそうです!!!

大豆の輸入が多く、その加工も得意なオランダにキッコーマンの工場があるのはとっても腑に落ちますね!
(ぼくは学生時代のアメリカでも、現在オランダでもキッコーマン様にお世話になっていますw)

②オランダの中継貿易と③産業内貿易

ここで再度上記の表にもどります。

【出典:農林中金総合研究所】

次に、表間にある「緑色の線」に注目します。

みてみると、オランダは「大豆粕」「パーム油」「牛肉」「練り菓子」「チーズ」などで、
同じ品目を輸入すると同時に、輸出もしていることがわかります!

これは中継貿易」と「産業内貿易」といったオランダ貿易の特徴を表しています。

簡単にいうと、「中継貿易」は輸入したものをそのまま輸出(横流し)することで、「産業内貿易」が同じ品目を輸出入することです。

オランダは、その地理的立地やインフラなどで貿易に強いので、
安く大量に輸入した品物を、価格の上乗せしてそのまま近隣のヨーロッパ諸国に輸出したり
時期やタイミングやマーケティング等により、同品目に価格差(利益)を出すこと等ができるのでしょう !(中継貿易

とくに農畜産物は、時期やタイミングで価格が大きく変化するので、それを上手くコントロールできれば、中継貿易で利益が生まれやすい商材だといえるでしょう!

また、例えば同じトマト(同じ品目)でも、地域ごとに品種の違ったトマトが育ち、
味や見た目も異なるため、それを手く輸出入し、マーケティングすることで市場を拡大したり、付加価値をつけることができます(産業内貿易)。

また、品種内のバライティーが増えることを好む市場の需要を満たすことができます(産業内貿易)。

分かりやすい例でいうと、日本の車市場において、国産のトヨタだけでなくBMWやベンツなどを輸入することで、車市場が広がることも、この産業内貿易に当てはまります。

こういった、「中継貿易」や「産業内貿易」もオランダ貿易の大きな特徴となります!

ここで再度、最初の表に戻って他の品目もみてみます!

【出典:OEC】

5位以下をみてみると、「切り花」(4.8%)は前回ブログで輸出額が世界1位だった「花き」のカテゴリーとなります!(参考:オランダ農畜産物の「輸出」についてのまとめ

そうです!輸出額が最も大きかった「花き」類もオランダは輸入しているところから、「中継貿易」や「産業内貿易」の特徴がみえてきます!

同様の理由から、自国で生産の多いはずの「トマト」や「ジャガイモ」も輸入しているのが伺えますね!!


以上、オランダの「輸入」農作物からみえてくるオランダ貿易の3の特徴でした。

いかがでしたでしょうか?

ぼくはオランダは本当に商売上手な国だなと思いました!

人口や国土は小さい国ですが、その地理的優位性を活かして、
加工貿易・中継貿易・産業内貿易を通し、付加価値を生む貿易をすることで、
農畜産物の輸出額で世界ナンバーツーの称号を得ている
わけですから、本当に大した国だなと思います。

この貿易の強さはおそらく、オランダ東インド会社など、歴史的な流れもあるとは思うので、
オランダの貿易の歴史も今度調べてみたいと思います!!

ではでは。ご覧いただき、ありがとうございました!


PS:今日のデキゴト

最近、2日に1回は日本食を作って食べてますw
久しぶりに味噌汁を飲むと、本当にホッとしますww

つくづく日本人だなと思いますし、「日本食」の味を知っててよかったと思いますw
こんなに繊細で美味しい料理はどこにもないなーと。

パスタやパンやお肉まるまるも美味しいですが、やっぱり、、ね。。。

キッコーマン様これからもお世話になります><

【出典:Wikipedia】

オランダよりミズキでした^^

 
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